最近どうも涙もろくなってが、これも下宿生活を始めたからなのだろうか、ふとした瞬間に実家で過ごした何気ない一日一瞬が思い出されて、気づけば泣いている。ホームシックには絶対ならない自信があったが、前言撤回。これは立派なホームシックだ。今日は夕食を口にしながら、母のことを思い出した。
確か高校生の頃のことだ。塾の授業を22時過ぎまで受けて、その後自転車で帰宅。玄関のドアを開けて家に入れば、リビングから漏れ出る明かり、母の出迎える声。
食卓には自分の分の夕食がたっぷり用意してある。
この瞬間がいつも幸せだった。
家族が夕食を済ませた後の、私だけの遅めの夕食。母がキッチンの後片付けをしているのを眺めながら母の手料理をたいらげる。
いつもはこんな感じだが、ある一日だけ違った。
その日は白米の上に市販のミートドリアソースをかけてオーブンで焼いただけの簡単なものだった。後片付けがすぐに済んだのか、母は食卓について私が食べるのをじっと眺めていた。
テレビには目もくれずあまりに長い間私の方を向いているので、ちらっと一瞬だけ母の顔を見ると、母は幸せに満ち溢れたような優しい笑顔をしていた。
その笑顔は今もはっきりと覚えている。
私の受験勉強を応援してくれていたのか、毎日大盛りの食事をたいらげる私の成長を喜んでくれていたのか。とにかく、母のあんなにも優しい表情は初めて見た。
幼い頃から母にたくさんの愛情を注いでもらったという自覚はあったが、あの瞬間は特に母の愛情を感じて心が震えた。
大学生になり、下宿生活を始めて今日で94日目。今晩作ったのは私の大好きなゴーヤチャンプルー。もちろん美味しいが、やっぱり母の手料理が一番好きだ。
母に言ったら文句を言われそうだが、私の思い出の味はあのミートドリアだ。なんだか久しぶりにミートドリアを食べたくなってきたので今度自分でも作ってみようか。
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